カンボジアの世界遺産と言えば「アンコールワット」と「プレアヴィヒア」の2つが有名ですが、2017年7月に認定されたばかりの3つ目の世界遺産である「サンボープレイクック遺跡」の行き方と見どころをご紹介します。
目次
サンボープレイクック遺跡とは?
サンボープレイクック遺跡は、アンコール・ワットに先立つこと500年以上前、6世紀から8世紀にかけて建立された王の都と王のための寺院です。
サンボープレイクックへの行き方
サンボープレイクックへの行き方は大きく分けて3つ。
- バス+トゥクトゥク
- 車をチャーター
- ツアーに参加
のいずれかの方法が一般的です。
バス+トゥクトゥクでアクセスする
海外旅行初心者の人向きの方法ではありませんが、まずは、バスで「コンポントム」まで行きます。(シェムリアップからでもプノンペンからでもバスが出ています。)
そして、コンポントムからトゥクトゥクをチャーターをすればサンボープレイクックまで20ドル(≒2,200円)で行ってくれます。
シェムリアップからコンポントムまでバスで行く
大型バスやミニバンバスがシェムリアップからコンポントム経由でプノンペンまで出ています。そのバスにシェムリアップから乗車し、コンポントムで途中下車します。
このバスに乗車する際の注意点は、黙っているとコンポントムに停車せずにプノンペンまで行ってしまうので、「I wanna get off at Kampong Thom!!(コンポントムで降りたい!)」と乗務員にハッキリと伝えておきましょう。
プノンペンからコンポントムまでバスで行く
上記と同様に、プノンペンからコンポントム経由でシェムリアップまでのバスが出ています。そのバスにプノンペンから乗車し、コンポントムで途中下車します。
こちらも同じように「I wanna get off at Kampong Thom!!(コンポントムで降りたい!)」と乗務員にハッキリと伝えておかないとシェムリアップまで連れて行かれます。
実際に、僕がサンボープレイクックに行った時は、プノンペンからコンポントムまでバスで行き、コンポントムからトゥクトゥクをチャーターして来ている韓国人観光客がいました。
バス+トゥクトゥクで行く方法をまとめるとこうです▼
シェムリアップからでもプノンペンからでもコンポントムまでのバス運賃は、乗車するバスのタイプにもよりますが、片道最低で7ドル〜(≒800円〜)。時間は3時間半。
コンポントムからトゥクトゥクをチャーターして、20ドル〜(≒2,200円)。時間は1時間ほど。
合計で、27ドル。時間は片道最低でも4時間半ほどかかります。
メリット
他の方法に比べて費用面で安くなりますし、旅っぽさがめちゃくちゃ出ます。
デメリット
全て自分で手配することになるため、難易度が高い。そして、時間的に1日で完結させる事が難しいので、コンポントムで1泊しないと十分に楽しめない。
トゥクトゥクに長時間乗っていると、疲労度が半端ない。
車をチャーターしてアクセスする
宿泊しているホテルやゲストハウスにて車を100〜120ドル/日くらいでチャーター出来ます。しかし、宿泊施設によっては、サンボープレイクックまで行ってくれる車が無かったりします。
僕がシェムリアップで宿泊していたザ・シティ プレミアム・ゲストハウス(The City Premium Guesthouse)ではサンボープレイクックに行ってくれる車をチャーターすることが可能です。
車を100〜120ドルでチャーターすると聞くと「それは高い!」と思うかもしれませんが、複数人数で相乗りすれば人数がいればいるだけ1人あたりの負担金額が安くなります。
例えば、ゲストハウスに泊まっている人で一緒に行く人が4名見つかれば、100ドルを4名で割れば1人あたりの負担額は25ドルになります。そのため、バス+トゥクトゥクで行く方法よりも安くなります。
メリット
楽で簡単。時間効率が良い。
デメリット
費用面で自力で行くよりも高い。旅感が少し無くなる。
ツアーに参加してアクセスする
数は少ないですが、シェムリアップ発orプノンペン発のサンボープレイクック遺跡ツアーが出ています。それに参加すればサンボープレイクックまで連れて行ってくれます。
ツアーによっては、1泊2日のツアーもあったりするので、普通では味わえない体験をすることが出来ます。
メリット
楽で簡単で、なおかつガイドが付いてくれることが多いので、知られざるサンボープレイクックの歴史や背景を知ることが出来る。
デメリット
費用が高い。
サンボープレイクック(Sambor prei kuk)の開門時間と所要時間
開門時間:7:00〜17:00
開門日:毎日
所要時間目安:片道3〜4時間(移動) 2時間(遺跡内)
遺跡内が広いため、最低でも1〜2時間は欲しいところです。
サンボープレイクックの入場料
2017年7月現在は、3ドル(≒330円)でした。しかし、入場料の値上げされるような動きが出ていますので、近い将来に値上げされると思います。
サンボープレイクックでの服装と注意点
写真のように肩が出ている服装でもOKですし、短パンやサンダルでもOKです。服装に関してNGを出されることはありません。
しかし、遺跡内は草の茂みがたくさんありますし、雨上がりだと泥だらけになる可能性もあり、かなり歩くことから、スニーカーで行かれた方が観光しやすいと思います。
車で行く場合は、スニーカーとサンダルの両方を持っていくのもアリですね。
また、サンボープレイクック自体が、まだまだ観光開発されておらず、2017年7月現在では、食堂やお土産屋さんはありませんでした。
そのため、サンボープレイクックに行く際は、お弁当などの食料を持参して行った方が良いです。もちろん万が一の時のために水分も。
サンボープレイクックの見どころ
サンボープレイクックは、今から1400年前の6世紀から8世紀に創建したと言われています。日本では、同じ頃に、法隆寺が創建。
遺跡は東西6km、南北4km以上の広範囲に点在しており、60基以上のレンガ造りの遺跡が今でも存在しています。
見どころは、サンボープレイクック遺跡の中心部と言われる「プラサット・ソムボー」「プラサット・チュレイ」「プラサット・タオ」「プラサット・イェイ・ポアン」の4ヶ所。
それでは、各ヶ所の様子を写真とともにご紹介します。
プラサット・ソムボー
プラサット・ソムボーの一角には、「空飛ぶ空中宮殿」や上半身が翼を持った鷲で下半身がライオンになっている「グリフォン」があります。その写真の外観がこちら▼
近づくと・・・
彫刻がハッキリと見えます。建物が八角形の平面になっているので、面白い造りだなぁと思っていたのですが、後に調べてみたら、クメール建築の中では、この遺跡群だけに見られる特徴だという事が分かりました。
アンコールワットなどの遺跡も、この遺跡群から建築様式が大きく変わっていった背景を感じながら回ると、また深く楽しめますね。
男女の性器を表すリンガとヨニ。
サンボープレイクックのプロジェクトに対して日本が資金援助をしていると表記された看板が立てられていました。自分の知らないところで母国は色んな事をしているんですね。
神事or祭事が行われていただろう跡地へ。雰囲気がガラッと変わる不思議な空間。
上記の植物が、この空間の囲いを作っているようです。
よく分からない道具。
線香を立ててあったので、お墓かな?と思ったり。
像の鼻を描いたような巨大なシンボル。
枯葉と蔦のようなもので作られています。
水場。
調理場のような場所かな?と思ったり。
家があったりしたので、ひょっとしたら、神事や祭事を行う場所ではなく、当時の生活スタイルを再現した空間かな?とも思ったり。
ガイドがいないと何が何だか分かりませんが、それはそれで想像を膨らませることが出来るので楽しいですね。
ちなみに、入口付近では、現地の観光客がピクニックに来ていましたよ。みんな楽しそうでした。
プラサット・チュレイ
一緒に行ったメンバーが口を揃えて「タ・プローム!タ・プローム!」と連呼していましたが、タ・プロームとはまた一味違った遺跡。こちらも神秘的です。
祠へ続く穴。精霊が出てきそうな雰囲気が出ていました。
気になって近づいてみると、何とか入れそうな穴。穴があったら入ってみたくなるのは男子の生まれつきの性質!という事で・・・
入ってみる!サンボープレイクックの塔は例外なく天井が開いています。これも何か意味がありそうですね。
祠の中からの様子。
祠の入り口にある壁には、古代クメール語が描かれています。
プラサット・タオ
独特のデザインのライオン像が出迎えてくれる塔。
ヨダレを垂らしながら獲物を狙っているかのようにも見える。
神様が降りてきそうな神秘的な雰囲気。360°カメラのTHETAで撮影するとこうなります。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
生で見ると、かなり神秘的だったので、写真撮影にも腕がなります。
ガチですね。笑
プラサット・イェイ・ポアン
このエリアは他のエリアと違い、木々の茂みが深いです。人それぞれ感じ方はあると思いますが、個人的には妖精が出てきそうな錯覚に襲われました。ゼルダの伝説にも出てきそうな風景。
鳥のさえずりが響き渡り、風が吹くと木々がざわめく何とも言えない空間。
遺跡を維持&修復するための努力が至る所に垣間見えます。
ライオンと格闘する様子が描かれている壁の彫刻。積んだレンガを削って浮き出させる技術がすでに1400年前にあったんですね。
帰りにアンケート用紙が配布されました。世界遺産になったばかりなので、これから色々と改善されながら決まっていくんでしょうね。
まとめ
シェムリアップやプノンペンから日帰りで行ける新たな世界遺産に行かれてみてはいかがでしょうか?
アンコールワットやプレアヴィヒア、ベン・メリア、コーケーとは一味違う角度から新たなカンボジアの魅力が発見できるかも知れませんよ!
動画でもご紹介していますので、ぜひご覧ください。