海外旅行・世界一周の前に!予防接種の種類・価格表・場所・病院情報まとめ

海外旅行や世界一周の計画を立てていると「予防接種」の必要性を深く考えさせられることがあります。

なぜなら、予防接種の必要性を知らなかったり、費用が高く海外旅行保険があるから何とかなるという理由で予防接種を打たずに渡航して、命に関わる病気にかかって命を落としたり、生死をさまよう人が未だにいます。

僕は声を大にして言いたい。「何をやっているんだバカ者。独りよがりの考え方が多くの人を悲しませることになるんだぞ」と。知らなかったでは済まされません。

海外旅行や世界一周で一番大事なことは、絶景写真を撮ることでも武勇伝を作ることでもありません。想定できるトラブルリスクを限りなく低くして無事に帰国することです。無事に旅を終えるために必要なのが予防接種です。

そして、二次感染を防止するためにも。

特に世界一周などの長期間の旅や発展途上国への旅は必須です。

今回は、海外旅行や世界一周の予防接種について、ワクチンの種類は何があるの?どの国でどの予防接種が必要なの?費用はどれくらいかかるの?なるべく費用を抑えたい場合はどうすればいいの?という予防接種についての全てをまとめてみました。

目次

予防接種を受ける前に抑えておくべき4つのポイント

細かいことは後述しますが、この順番通りに進めていくとスムーズです。

1. 予防接種の種類を知る

まずは、予防接種の種類を把握することから始めましょう。50種類100種類以上にもなる大量な種類があるわけではありませんのできちんと把握しておきましょう。

2. 渡航先で何の予防接種が必要かを知る

渡航先によって打っておいた方がいい予防接種の種類が異なります。旅の計画が決まったら、どこの国で何の予防接種が必要なのかを絞り込んでいきましょう。

アフリカや南米では、入国時に予防接種証明書の提示を求められることがあります。わずかな乗り継ぎの場合でも求められることがありますので、準備をしておきましょう。

3. 予防接種の回数・日程・費用を知る

必要な予防接種が把握出来たら、予防接種に必要な回数と日程を把握することです。種類によっては、1回だけで済むものもあれば、2〜3回必要なものがあります。

それによって、1回目の予防接種を受けてから、開けないといけない期間が決まっていますので、スケジュールに落とし込んでいきましょう。

4. 予防接種を受ける場所を決める

日本国内のどの病院でも受けられるわけではありませんし病院によって対応できる種類もバラバラです。そして、病院によって価格が違います。

お住いの地域や予算に応じて予防接種を受ける場所を調べていきましょう。ちなみに、タイのバンコクでは日本に比べてかなり安く予防接種が出来ますので、費用を抑えたい場合はオススメです。

それでは、1〜4の順番に沿って、予防接種の詳細を一緒に見ていきましょう。

厚生労働省が推奨している全7種の予防接種

厚生労働省では「黄熱」「A型肝炎」「B型肝炎」「破傷風」「狂犬病」「ポリオ」「日本脳炎」の7種の予防接種を推奨されています。特に「A型肝炎」「破傷風」の2つは、どの国でも感染する可能性が高いので、最低限受けておくべきだと医者の先生も推奨しています。

一つ一つどんな症状を引き起こすものなのかを説明します。

1. 黄熱の特徴

蚊が持っているウイルス性の感染症で、蚊に刺されることで発症します。発熱・頭痛、重症になると出血も。致死率は5~10%。

しかし、流行時や免疫をもたない渡航者などでは、60%以上に達するという報告も。蚊に怯えながら旅をすることほどストレスを感じることはありません。

アフリカや南米のエリアでは、入国時や乗り継ぎ時に黄熱予防接種証明書の提示を求められる国もあります。黄熱予防接種証明書は接種後10日目から生涯有効です。

治療薬がないので、予防接種が賢明。

2. A型肝炎の特徴

食べ物や飲み物から感染する病気で、発症すると発熱・全身倦怠・吐き気・嘔吐・黄疸などの症状が1〜2週間続きます。重症になると1か月以上の入院が必要となる場合があります。肝臓の炎症がひどくなると死に至るケースも。

治療薬がないため、発症したら旅どころじゃなくなる可能性大です。全世界中で感染のリスク有り。予防接種必須。

3. B型肝炎の特徴

性行為による感染が多いのが特徴。発症すると、全身倦怠、食欲不振、濃い色の尿が出る、発熱、黄疸などの症状が出て2〜3ヶ月で完治する。

実際に発症する人は、感染者の約3分の1と言われ、感染者の半数以上は症状が出ないまま、自然に治ります。

必須ではないですが、思いもよらぬ最悪な出来事が起こることもありますので、心配な方は受けておきましょう。

4. 破傷風の特徴

破傷風の菌は、土の中に存在し、日本でも発生している病気です。主に傷口から感染します。発症すると、死に至るケースがあります。

子供の頃に破傷風の予防接種を多くの人が受けているから安心している方が多いのですが、ほとんどの人が破傷風の予防接種の効果が20代前半で切れてしまっています。

ちょっとしたすり傷やピアスの穴から感染し、致死率が30%もあるので予防接種必須です。 (破傷風の予防接種にはジフテリアの予防接種も含まれています。)

5. 狂犬病の特徴

犬などの動物に咬まれることで感染する病気で、発症すると致死率がほぼ100%という恐ろしい病気です。

長期旅行や奥地・秘境、森林に行く場合は、予防接種を受けておいた方がいいです。受けておかないと世界中の野良犬に脅威を感じると思います。

インドに行った時は、野良犬がめちゃくちゃ多かったので、本当に怖かったです。

6. ポリオ(急性灰白髄炎)の特徴

ポリオウイルスに感染し発症している人、症状は無くてもポリオウイルスを排出している人の便や唾液などにポリオウイルスが含まれていると、その便や唾液で汚れた手や指、食べ物、モノなどを通して自分の手を介して口の中に入ることで感染します。

ポリオウイルスに感染しても、90%程度が特に症状が出ないことが特徴ですが、発症すると、急性の麻痺が起こる病気です。

アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンなどの流行国では、WHOから追加の予防接種が推奨されています。治療に関する特効薬はありません。

7. 日本脳炎の特徴

日本脳炎ウイルスを保有する蚊に刺されることによって起こる重篤な急性脳炎で、死亡率が高く、後遺症を残すことも多い病気です。

東アジア、南アジア、東南アジアでは流行しているため予防接種しておくのがおすすめです。治療に関する特効薬はありません。

地域別で分かる!必要な予防接種の種類目安表

渡航を予定している地域や事前に予防接種をしたことがあるなど、個人差がありますので、検討してみてください。
(※スマホで見ている方は、画面を横向きにすると表が見やすくなります)

地域/滞在期間黄熱A型肝炎B型肝炎破傷風狂犬病ポリオ日本脳炎
東アジア
短期
長期
東南アジア
短期
長期
南アジア
短期
長期
中近東
短期
長期
太平洋地域
短期
長期
オセアニア
短期
長期
北アフリカ
短期
長期
中央アフリカ
短期
長期
南アフリカ
短期
長期
北・西ヨーロッパ
短期
長期
東ヨーロッパ
短期
長期
南ヨーロッパ
短期
長期
ロシア
短期
長期
北米
短期
長期
中南米
短期
長期

▲:黄熱に感染するリスクがある地域
◎:予防接種推奨
〇:リスクがある場合に接種を検討
(厚生労働省ホームページより引用)

 予防接種の回数・スケジュール・持続期間一覧

次に、予防接種の種類によっては複数回受けなければいけないものがあるため、必要日数が異なります。計画的にいきましょう。

例えば、黄熱は1回だけで大丈夫ですが、A型肝炎や破傷風は2〜3回受けなければいけません。必要回数、スケジュール、持続期間をまとめましたので、この一覧を見て、自分がいつ予防接種を開始すればいいのか参考にして下さい。
(※スマホで見ている方は、画面を横向きにすると表が見やすくなります)

回数0日目1週間後2週間後3週間後4週間後5週間後6週間後7週間後8週間後5ヶ月6ヶ月12ヶ月18ヶ月24ヶ月
黄熱1初回
A型肝炎2初回2回目追加
B型肝炎2初回2回目追加
破傷風1〜3初回2回目追加
狂犬病3初回2回目3回目
ポリオ1初回
日本脳炎2〜3初回2回目追加
ジフテリア1初回
麻疹1初回
風疹1初回
コレラ2初回2回目
腸チフス1初回

予防接種の持続期間

  • 【黄熱】接種10日後から生涯持続。
  • 【A型肝炎】1回接種で約1年持続。2回目接種で約15年以上持続。
  • 【B型肝炎】3回接種で15〜20年持続。
  • 【破傷風】3回接種で10年持続。
  • 【狂犬病】3回接種で2年持続。
  • 【ポリオ】10年持続。
  • 【日本脳炎】3回接種で4〜5年持続。
  • 【ジフテリア】10年持続。
  • 【麻疹・風疹】15年持続。
  • 【コレラ】2年持続。
  • 【腸チフス】3年持続。

日本&海外の病院で受ける予防接種の費用

日本で予防接種を受けた場合の費用は7〜9万円

東京都内や近郊にお住まいの方は、世田谷区の三軒茶屋にある「ふたばクリニック」が一番安いようです。僕は新潟に住んでいたので、新潟の病院でお世話になることに。

最低限必要な種類をピックアップして各病院ごとに費用を計算してまとめてみました。

検疫所ふたばクリニック新潟市民病院原こども医院海外渡航者等予防接種室
黄熱11,180円
A型肝炎×3回6,500円7,360円7,300円7,500円(2回目以降5,300円)
破傷風×3回2,800円4,020円3,100円3,800円(2回目以降1,500円)
狂犬病×3回7,500円(原こども医院で計算)12,400円(未対応のため原こども医院計算)
日本脳炎×2回5,000円6,760円3,400円(同上)
71,580円96,040円86,380円80,080円

東京にある最安値の病院「ふたばクリニック」と比べると新潟の病院は費用が高くなりますが、毎週のように東京ー新潟間を行ったり来たりするのも馬鹿らしいですよね。

僕の場合は、地方のため全ての予防接種を一つの病院で受けることが出来ませんでしたが、病院によっては初診料・会員登録・互助会費用などが別途発生する場合があるので、事前に確認しておきましょう。

上の表のように病院では価格の差があります。しかし、初診料などを考慮すると、出来れば一つの病院で受けることが望ましいです。

また、黄熱病は検疫所と一部の機関でしか受けることが出来ません。下記リンクは、黄熱病の予防接種を行っている全国の検疫所一覧です。各都道府県にあるわけではないので、確認してみてください。

>>>黄熱の予防接種を行っている検疫所の一覧

タイで予防接種を受けた場合は2万円!

短期の海外旅行者には関係のない話ですが、世界一周者や長期旅行者はぜひ検討してみてください。

上記表の種類の予防接種を同じ回数分をタイのバンコクにある「スネークファーム」で受けると「約14,000円」で済みます。差額がなんと約65,000円!これは大きいですよね。

西回りで回ろうと思っている方は1カ国目をタイにしてタイで予防接種するのがおすすめです。ただし、デメリットがあって、しばらくタイに滞在しなければいけない点です。

もちろん周辺国を回っていればいいのですが「いちいちタイに戻るのが面倒臭いよ〜」と思う方は、黄熱病と日本脳炎以外の時間のかかる予防接種を全て日本で済ませておきましょう。

詳しく書いている方がいたので、参考までにURLを掲載しておきます。

参考記事:タイでの予防接種にかかった費用まとめ – photowise

時間に余裕があって・安く予防接種をしたい方にはおすすめです。タイのカンチャナブリやチェンマイでゆっくり過ごすのも贅沢な旅かもしれません。

まとめ

海外で予防接種することに不安がある場合は、日本で予防接種しましょう。

また、何の種類がいいか分からないという方は、医師にきちんと、滞在先・期間を伝えれば、適切な予防接種を処方してもらえますので、相談してみてください。最新情報は医師が持っているので、専門家に従うのがベストです。。

そして、予防接種は、3ヶ月以上前から受け始めることをオススメします。

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