今回の記事は、アメリカで1年間トレーラーハウスで暮らした岩井さんの海外生活体験記です。最初にお伝えしておきますが、かなりぶっ飛んだエピソードです(笑)
そんなぶっ飛んだエピソードを聞くだけで、かなり刺激になると思いますので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
若さが取り柄とはまさにこういうことかもしれないですね。
目次
思い立ったが吉日。目的もなくアメリカへ単身渡米
20歳の1年間、アメリカのウエストバージニアというところで、1歳年上の現地の女の子(エイプリルちゃん)と共同生活を送っていました。
海外で生活してみたい!という漠然とした思いがあったものの、特に行きたい国もアテもなかった私は、ひょんな話の流れで日本人の友人に、学生時代ホームステイ先で知り合ったというエイプリルちゃんを紹介(といっても電話とメールですが)してもらい、会ったこともないのに居候の約束をとりつけて、翌月には単身渡米していました。
私も友人も、若さでしょうか、日本人としてはかなりぶっとんだ行動だったなあと、今となっては思います。
が、アメリカ人のエイプリルちゃんが見ず知らずの日本人を受け入れてくれたことについては、「アメリカ人なら珍しくはない」と、1年間アメリカで生活した結果、思います。
ウエストバージニアの人たちはその大地のように大らかで広い心を持っていて、私は大いに影響を受けたものです。
アメリカでの生活スタイル
エイプリルちゃんの自宅は、トレーラーハウスと聞くと、日本人の感覚としてはちょっと実感がわきづらいと思いますし、なんだか貧しげな印象を受ける人もいるかもしれないです。
しかし、アメリカの、特に田舎だとそれはごくごく当たり前のことで、とにかく土地はいっぱいありますから、トレーラーハウスばかりがいくつも並んだ集落のようなものがあちこちに点在しています。
日本でいう賃貸マンションみたいな感じですが借りているのは土地だけなのだそうで、100万円くらいで買えるトレーラーハウスをそのまま運ぶだけでどこへでも引っ越し完了という優れもの。
ハウス内は普通の家と変わらず、大きなキッチンと部屋が3つもあり、そのうちの1つを貸してもらいました。
家賃はいらないという彼女に甘えてしまっていたのですが、その代わり買い物は多めにしたりするようにして、月々の出費は7万円くらいだったと思います。
土地によって家賃にかなり差がありますが、生活費は日本とあまり変わりません。
驚愕!時給2ドルのアメリカのレストランでのバイト経験
近くのレストランでアルバイトをしていましたが、時給はなんと2ドル!
でもそれもまたアメリカだと普通のことで、その代わりお客さんからチップをもらえますので、ありがたいことに近隣の皆さんにかわいがって頂けていた私は、時給にすると15~20ドルくらいは稼がせてもらっていました。
現地で日本人女性はけっこうモテます。
『日本人の彼女募集中』と書かれたシャツを着て毎週店に来ては去り際にウインクしてくれた彼。
と言うと気持ち悪くきこえるかもしれませんが、西洋の人がやると不思議と爽やかなもので、まんざらでもなかった覚えがあります。イケメンでしたしね。
異国での生活は文化の違いを受け入れることが大切
ウエストバージニアというと、日本でもおなじみの名曲『カントリーロード』の舞台となったところです。
現在は分かりませんが当時は「アメリカで1番、犯罪の少ない州」というのが住民の皆さんの自慢で、ここで1日も過ごせば全くもってそれもうなずけるような都市でした。
道を歩けば鹿やアヒルの親子が悠々と横切っていくような本当にのどかな田舎町です。
特に危ない目にあうことはありませんでしたが、日本との文化の違いというところはやはり常に感じます。
例えば、その頃ちょうど大統領選挙の時期でしたが、どの家も軒先に支持政党や候補者の写真や旗を堂々と掲げていて、さすが自由の国、といった感じだったのですが「他人に政治と宗教の話はするな」と教えられてきた身としてはカルチャーショックを受けることもしばしばでした。
あとは、こちらとしてはそんなつもりでなくともアメリカ人にとってはタブーな、スラングだとか行動をうっかりしてしまいやしないかと、常に不安でした。
そして、これは偏見と承知で言いますが、怒らせると撃たれるかも、という思いはやっぱり心のどこかにあったと思います。もちろん、そんなことは1度もありませんでしたけど。
アメリカの食文化のおかげで激太り
アメリカの人が日本人と比べてすごく食べるとは思いませんが、食べ物がどれもいちいち高カロリーです。
日本のペットボトルは1.5か2リットルが普通ですが、アメリカではその2倍サイズの赤色や青色の炭酸飲料が、どこの家の冷蔵庫にも3本以上必ず常備されています。
お茶を飲む習慣はありません。
ケーキはこれでもかと甘く、ピザは皿から油がしたたり落ちるほど。
田舎のスーパーでも日本の調味料などかなり揃うので、1人暮らしなら日本食を作るのもいいですが、現地の方と暮らす場合、食事の問題には必ず直面するでしょう。
勝手に他国におじゃましておいて相手の文化に合わせないのは失礼だ、と考えていた私は、おかげでかなりふくよか体型になりました。おいしいんですけどね。
1年間のアメリカ生活で学んだこと
「外国」と聞いて、真っ先にアメリカを思い浮かべる人も多いはずです。
日本人にとってはあまりにメジャーな国・アメリカですが、州によってコーラの味が違うように、その土地ごとに生活も文化も千差万別だと思います。
私はその他にもいくつもの州を訪れて、その度にたくさんの経験や気付きを得ました。
ですが少なくとも私の関わってきたアメリカ人は皆、自国にやってきた異国人に対して笑顔で手を差し伸べられるくらいには、懐の深い人ばかりです。
言い忘れましたが私はアメリカに上陸した時、英語は「ハロー」しか喋れなかったです。
それでもアメリカ人と暮らし、数ヶ月も経つ頃には日常会話くらいこなせるようになったのは、この国だったからこそ、と断言できます。
必要なものは度胸と行動力だけ。私はそれがあったのでとても有意義な1年間を過ごすことができました。
アメリカ行きを迷っている日本人がもしもいたなら、「迷わず行け」と言いたいです。
編集後記
努力ではなく勇気が人生を変えていくとは良く言ったものですが、アッパレすぎて言葉が思い浮かびません。必要なのは度胸と行動力だけだと綴られていますが、まさにそれを体現している姿にちょっぴり嫉妬します(笑)
そして、もっと言うと、必要なのは勇気ではなく「私はこれをする!」という覚悟なのかもしれませんね。