今回の記事は、中国で仕事をされていた道房さん(男性)の海外生活体験談です。家族での移動生活だったご様子です。ちょっと変わった体験を一緒に見ていきましょう。
目次
中国と日本のデュアルライフを送るようになったキッカケ
1996年から2006年までの10年間、勤め先の仕事で海外事業部署に在籍し、主として中国で仕事をしていました。
丸10年間のちょうど半分を駐在、半分を出張という形で、日本と中国を行ったり来たりしながらの二重生活です。その様ないきさつで、家族帯同で駐在しました。
中国での生活スタイルと1ヶ月の生活費
住んでいた期間は足掛け5年程です。最初の赴任地ではホテルに併設された外国人向けの高層マンション。次の赴任地では、日本人家族向けの高層マンション。光熱費込で賃貸料は会社持ちでしたので一切かかっていません。かなり優雅な生活でしたね。
中国経済は今ほど発展しておらず、1元=12円の時代です。正確に覚えていませんが、毎月の生活費は10万円から20万円程だったと思います。
中国駐在で苦労した病院事情
普通に生活していて苦労したことはほとんど無いです。あえて言えば、日本人を相手に路上で偽物を売る商売をしている人たちと遭遇すると、付け回された事くらいです。
価値観の違いは外国なのですから当たり前。簡単に言えば、奥ゆかしい日本人と自己主張の激しい中国人という図式ですが、わかって付き合えば問題ありません。
生活していたら言葉も覚えて来ます。ですが、病院が大変でした。
中国には個人病院は存在しないので、病院というと大学病院か市民病院などの総合病院になります。何かあっても総合病院で受付しなければならず、とても時間がかかります。
当然ながら日本の健康保険は使えませんので、現金が必要になります。会社が海外駐在員用の保険に入ってくれていても、いったんは支払って、保険は後日立て替えなので、手元のお金が必要になります。それが意外と大変でした。
ちなみに、上海などの大都市であれば、外国人専用の病院や、日本人の診療所があります。
報道が過熱すぎる中国の反日。でも実際は…?
反日国家の様に日本では報道されていますが、それは中国共産党という政府の事で、一般市民はそのまま真に受けている訳ではありません。
多くの人たちが日本人と同じように、子供の教育、両親の介護、抱えた住宅ローン、仕事のストレス、夢を抱えて生きています。そのことを如実に感じられた事です。
そして、多くの友人ができて、一杯愛情をもらい、心を通わせる事ができた事です。今でも私の財産は、中国を好きになれた事と、多くの友人ができた事です。
第三者からの情報ではなくリアルの情報を
日本のメディアが伝えている中国像を真に受けないで行かれて下さい。あくまでもご自身が見聞きして、体験して、感じた事を優先して下さい。
日本のメディアの報じている中国像は、本当に一部分の嫌な事だけをセンセーショナルに報道しているとわかると思います。先入観を捨てて、中国の人たちと交流をして下さい。日本人だけで常に固まらないで下さい。
下手でも中国語を勇気をもって話して下さい。相手を見下さないで下さい。日本の良い所を積極的に伝えて下さい。日本人のおかしな所を抑えて下さい。中国文化に一杯触れて下さい。
政府どうしの仲が悪くても、民間人どうしは仲良くなれます。同じアジア人、同じ人です。それを実感して欲しいと思います。
編集後記
道房さん、ご協力ありがとうございました。確かに、僕自身、色んな国を周っていますが、テレビや雑誌で報道されていることが常識だと予習して現地に行ってみると「え?聞いていたことと違うじゃん!」ということがかなり多くあります。
それは逆も言えることで、未だに日本人はちょんまげをつけていたり、忍者が存在すると信じている人達が世界中にはたくさんいます。
インターネットの発達で何でも知ったような気になることには気をつけたいと、背筋が伸びる思いです。