エチオピアと言えば、伝統的な民族がたくさんいることで有名ですが、その中で最もインパクトのあるムルシ族に会いに行ってきました。
実際に、ムルシ族に会いに行った経験をもとに、ツアー申込方法、料金、注意点などをご紹介していきます。
目次
ムルシ族に会う方法
ムルシ族に会ってきた動画をyoutubeで公開していますので、ぜひご覧になられてみてください。
ムルシ族に会うためには、数年前まではジンカという村で毎週火・土曜日に開催されているマーケットに行けば会えたようですが、2018年4月末の段階では、ジンカ村のマーケットではムルシ族には会うことができなくなっています。
理由は、ジンカ村のマーケットでムルシ族が殺害されたという諸説が出回っていますが、本当の理由は定かではありません。
ただ、ジンカ村のマーケットにムルシ族が来なくなっているというのは本当で、ムルシ族が住んでいる集落まで会いに行かなければ会うことが難しいのは事実です。
僕も実際に、会いに行ってみましたが、ムルシ族が住んでいる集落からジンカ村までかなりの距離があるので、単純にジンカ村まで出てくるのが大変ですし、わざわざマーケット開催日じゃなくても物資の調達が可能になっているため、マーケットの有無関係なくちょこちょこ来ているのではないかと現地のガイドは言っていました。
ムルシ族に確実に会うには、ムルシ族の住んでいる集落に行くツアーに参加する必要があります。
という事で、ムルシ族に会うためのツアー申込について詳細を見ていきましょう。
ムルシ族ツアーの申込方法について
ムルシ族のツアーには自力で行くことは出来ず、必ずツアー会社で手配してもらう必要があります。車の手配、ガイド、警備など細かい手配が必要なんです。
そのため、申込方法は
- ジンカの街中にいる客引きから申込
- 宿泊先ホテルで申込
- アルバミンチからのツアーに参加
のいずれかになりますが、客引きはお金を持ち逃げしたりする可能性があり、基本的に信用できない人ばかりなので、おすすめは宿泊先ホテルで申込む方法です。
僕は宿泊していた「GOH hotel」の受付のお姉さんにツアー会社を紹介してもらいました。
関連記事:ジンカのおすすめ宿「GOH hotel」宿泊レビュー!ホットシャワー・WiFi・ムルシ族ツアーなど
会社名は「TRAVEL TO THE TRIBES」という名前です。民族専門のツアー会社とパッと見で分かる分かりやすい社名ですね!
ツアー出発前日の夜にホテルのお姉さんに「ムルシ族ツアーに行きたいんですが、ツアー会社紹介してくれませんか?」と、聞いてみたら、すぐに知り合いのツアー会社に電話してくれて、電話を切った5分後にツアー会社の人がホテルまで説明しに来てくれたんです。
感動ですよね。エチオピアでこんな対応をしてくれる人がいるなんて。
結果的に、ここのツアー会社にお願いすることにしたんですが、ボッタクろうとしてくること無く、とても誠実で、当日も何ももめることなく、とても良くしてくれました。この会社はめちゃくちゃおすすめです。
また、アルバミンチから自力でジンカまで移動するのが面倒な場合は、アルバミンチから出ているツアーに参加するのがおすすめです。1泊2日、2泊3日など自分の都合に合わせてアレンジできます。
という事で、ツアーにかかる費用を事細かく記載しておきますので、交渉時の参考にしてください。
ムルシ族ツアーの料金
まずは、提示してもらった金額は以下です。ちなみに2名分です。
- 車チャーター代(ガソリン込):110USドル
- 国立公園入場料 20USドル(10USドル/名)
- 入村料:400ブル(約15USドル 7.5USドル/名)
- ローカルガイド:600ブル(約22USドル)
- スカウト(セキュリティ):165ブル(約6USドル)
- 駐車場代:80ブル(約3USドル)
交渉前に合計180USドルという提示額でした。
他のブログで見た情報よりも公園入場料などが高かったので交渉してみたところ、値上がりしているとの事。
そして、車代以外のお金は値下げすることが出来ないとの事で、車代を20USドルおまけしてもらって、2名で160USドルとなりました。
支払いはUSドル支払いで、デポジットとして前日に60USドル、当日100USドルを支払いました。もちろんエチオピアブルでも支払い可能です。
ツアーの流れ
ツアーの流れをまとめた様子をyoutube動画でも公開していますので、ぜひご覧ください。雰囲気めっちゃ伝わると思いますよ!
AM8:00 ホテルを出発
「ホテルを8:00に出発するから準備して待っててね」と言われていた通り、7:50くらいにホテルに迎えが来て、本当に時間通りに出発。
ミニバンの車に乗っているのは僕ら2名のみ。
途中、アリ族の村を通りながら車が走っていきます。
ムルシ族はMago National Parkという公園内に住んでいるという事で園内に入っていきます。公園の看板に吊るされた動物の頭蓋骨が生々しい・・・。
日本人が想像する公園とはまるで違い、サファリのような場所です。野生動物もたくさんいて、ムルシ族の村まで行くのもすごく楽しかったです。
猿、ゴリラ、ディックディックなど色んな動物が見れて得した気分になれます!
ムルシ族の村に近づくにつれ、ポツリ、ポツリとムルシ族の人が現れる光景も異様感が漂っていました。
PM10:00 ムルシ族の村に到着
ムルシ族の村と言っても、ムルシ族は定住民族ではないので、今でも移動を繰り返して生活いるのだそうです。
着いた時も「え?ここ!?ここが村なの!???」と思うほどの場所でした。
車を降りた瞬間から「フォト!フォト!」とたくさん寄ってくるムルシ族さんたち。お金にがめついというよりは、商売として不器用ながら頑張って仕事をしているという印象を受けました。
という事で、お気に入りのスタイルを見つけて写真を撮らせてもらうことに!
写真撮影の料金体系と注意点
ガイドから最初に写真撮影の料金体系に関する説明がありました。
- 写真撮影代は1名5ブル
- 赤ちゃんを抱えている人を撮影する場合は2名分となり10ブル
- 数名での集合写真を撮影する場合は写真に写る人数分×5ブル
つまり、1名5ブルかかるとの事です。
動画も回していましたが、動画に関しては特に何も言われなかったです。もしかしたら動画という概念が無いのかも?
紙幣は、シワシワでも少し破れていても受け取ってくれましたよ。ただ、両替はないので、事前に銀行で両替してもらって5ブル札を大量に用意しておくのがムルシ族ツアーのポイントです。
写真は1枚5ブルというわけではないので、顔、全身、道具、アクセサリー、縦、横、一緒に撮影など、こちらもがめつくなってたくさん撮りましょう!
ある一定を超えるともう5ブル払えと言ってくるので、言ってきた段階でもっと撮りたいなら追加で5ブル支払い、満足したなら追加で支払わず撮影をやめればOKです。
そして、続けて注意点に関する説明がありました。
「写真撮影時は、必ずガイドにどの人を撮りたいか指定してから写真撮影をするようにしてください。勝手に写真を撮ってしまうと、何名分撮った撮ってないというもめ事になり、ムルシ族を怒らせてしまうことになり危険です。」
と。
実際、事前にムルシ族はお金にがめついと聞いていたのですが、前評判通り「フォト!フォト!」とすごい勢いで言い寄ってきます。
その勢いに負けて、勝手に写真を撮ってしまうと、お金でもめるトラブルの原因になるので、そこは慎重に。
ガイドがこの場を仕切ってくれたおかげでとても気持ち良く写真撮影することが出来ました。
ガイドの言うことは必ず聞いた方が良いですよ。ムルシ族を怒らせたらかなり面倒みたいです。。
という事で、写真撮影開始!
エチオピアを代表する伝統民族「ムルシ族」
まずは、何やら派手な装飾物を頭に乗っけているお姉さん。撮影代5ブル。
動物の角をアクセサリーにしてイカツい格好をしている女性。さり気なく赤ちゃんを抱えています。ということで撮影代が2名分となり10ブル。
唇にはめ込む皿を何枚も抱えて持っていたお母さん。急に家の中から出てきて2名写ってしまったのですが、5ブルでOKでした。
腕にムルシ族風のタトゥーを刻み込んでいた少女。撮影代5ブル。
この少女も皿を何枚も持っていました。
唇だけではなく、耳にも皿をはめ込む少女。日本にも耳に大きな穴を開けている人はいますが、ここまではいないでしょう。髪型が印象的。
唇の皿を外すと唇がだら〜んとしています。
ムルシ族風のタトゥーを身体中に刻んだ女性。最高のオシャレだそうですが、何と皮膚を焼いて作るんだそうです。
それを聞いた瞬間に、これって日本で言う根性焼きじゃん・・・と思うのは僕だけじゃないはず。撮影代5ブル。
おばあちゃん。ファンキーだ。撮影代5ブル。
そして、家の中を見せてもらいました。入り口がめちゃ狭くて身長168cmの僕が何とか頑張って入れるほど。
それもそのはず、ライオンなどの猛獣が家の中に入らないようにするという理由と、そもそも家の中には女性と子供しか入らないという2つの理由があるのだそうです。
男性は夜でも猛獣の監視をしながら生活し、一生屋根のない場所で寝るとの事。
ムルシ族の男性に産まれたら大変だ。
また、移動しながら生活するという民族性もあって、家は超簡易的な造り。すごい密閉空間なんですが、その中で火を焚いていまして、僕はむせてしまいました。中で寝るのも大変。
ムルシ族は大変。
ムルシ族の生活実態
ムルシ族の生活実態について、ガイドさんに教えてもらったことをいくつか箇条書きしておきます。
- 結婚時は嫁の家族に牛を送らなければ結婚が認められない
- 牛は一頭あたり約4万円
- 一夫多妻制(牛があれば何人とでも結婚可)
- メイスというトウモロコシを粉状にしたものが主食
- 牛の血を飲む
- 風邪をひいたら病院に行って薬を飲んで治す
- 携帯電話を持っている
- ムルシ族の集落はいくつかある
- 男性は家の中に入らない
など、日本人から見たら衝撃の生活実態とともに「え?病院行くんだ」という意外性もこれまた衝撃的。
実はムルシ族に会えなくなる日は近い?
奴隷貿易が主な産業だった時代、美しい女性は奴隷として、商取引としてモノ同様に扱われていました。
ムルシ族の女性たちは、わざと自分を醜い姿にする事で奴隷として選ばれないようにするために、自らの唇に穴を開けて奴隷から逃れていたそうです。
ガイド曰く、現在は、エチオピア政府が唇に穴を開けて皿を入れる慣習を禁止しているとの事なので、これまで続いてきたムルシ族に会うことが出来なくなっていき、会えなくなる日が来るのもそう遠くはない未来なのではないでしょうか。
そもそも、現代的な生活様式が民族に急速に浸透しているので、民族的な民族に会えるのも今のうちかもしれませんね。
マサイ族がスマホを持ってバイクに乗っているように、ムルシ族も同じような事が起きるのも当然考えられることです。迷っているなら絶対に自分の目で見ておくべきですよ!
AM11:00 ジンカへ帰る
という事で、ムルシ族の集落には約1時間滞在し、風邪をひいたムルシ族を乗せて一緒にジンカに帰りました。
ムルシ族の方はそのまま病院へ。
PM12:30 ジンカに到着
ジンカに到着後、お昼ごはんを食べて、そのまま14時の乗り合いバンでコンソまで向かいました。
コンソに1泊して、翌朝モヤレに向かってそのままケニアへ。国境越えからナイロビまでの行き方についても記事にまとめているので、参考になれば幸いです。
まとめ
もしムルシ族に行こうかどうか迷っているなら絶対に行った方が良いですよ。
お金にがめついのかぁ・・・と、行く気を失っていたのですが、行ってみて本当に良かったです。
世界的にもっと有名なケニアのマサイ族にも会いに行きましたが、それ以上のインパクトがありましたので、まさに迷ったらGOです!